「雨あがりの歌」
わたしの手ではすくいきれないほど
小さな雨つぶがたくさん降りました。
やがて やさしい風につれられて
太陽の光がキラキラとのぞかせて
青い青い空が 高く遠くに見えました。
今ならこの声だって どこまでも遠くに飛んでいけそうだ。
「Lettera」
僕の知らない遠い空の下にいる君にも
教えてあげるね。
世界には 釣りが好きなペンギンや
本が好きなドラゴンがいるんだって。
まだまだ知らない事がいっぱいあるのに
狭い世界に閉じこもってるのは もったいないね。
だから今度、遠くまで出かけてみようと思うんだ。
たくさん歩いたその先に 君がいたら嬉しいな。
タツコン2020の作品と舞台が繋がっている作品にしました。
タツコン2020作品解説はこちら
タツコン作品ではヴェネツィアを参考にした場所(舞台)にしたので、こちらもヴェネツィアを参考にした街です。
世界的なコロナウィルス感染拡大の影響で悲しい思いをたくさんしました。
楽しみにしていたイベントや企画の中止、延期、大切な人や大切な機会を失った人もいます。
でもいつかこの悲しい日々が晴れる時は大きな声で笑いあえるように、遠くの場所へ大切な場所へ何気なく行けるように、また元の日常に戻れるように、そんな願いを込めてこの2作品を描きました。
「雨あがりの歌」では「雨つぶ」は「涙」を意味しています。たくさん流れた涙がいつか晴れた時、太陽の温かさで水蒸気になり空へ飛んでいく様子を青い風船に見立て描きました。
青い風船は世界中に飛んでいくことでしょう。
悲しみも苦しみも一緒に闘ってきた世界中の人たちと、喜びも一緒に感じられたら良いなぁと思います。
「Lettera 」はイタリア語で「手紙」を意味しています。なぜイタリア語かというと作品の舞台がヴェネチア(イタリア)を参考にしているからです。
「雨あがりの歌」とは場所は違えど同じ世界の中の一瞬です。
タツコン作品を描く前、世界の現在の様子が分かる動画や世界旅行の動画をよく見ていました。キラキラしていたり、賑やかだったり、かと思えば現実はそうでなかったり、知らない事の多いこの世界をもっと知りたいと思わせてくれました。その時感じた気持ちを作品にしてみました。
まだまだ制限された生活は続きます。
でもその制限された中でも世界や人々の繋がりを感じる機会がありました。
本当は早く元の生活に戻れるのが一番いいだろうけど、今だから感じられたもの、今だから知ることができたものがありました。そういう事も大切に、これからを考えながら生きていきたいと思います。